こんにちは、じゅりです。
「“有”と“在”はどっちも『いる』『ある』という意味ですが、どう違いますか?」という質問をいただきました。
たとえば、“一楼有餐厅。”と“餐厅在一楼。”はどう使い分けたらいいのでしょうか?
この記事をよんで、使い分けをマスターしてもらえたらうれしいです。
「存在」の“有”と「場所」の“在”
結論から言うと、「存在」をあらわす場合には“有”をつかい、「場所」を表す場合には“在”を使います。
「ある」と「いる」にわけて説明します。
ある
まず、日本語を考えてみましょう。
冒頭にかいた、“一楼有餐厅。”と“餐厅在一楼。”はそれぞれどんな日本語になるでしょうか。
“一楼有餐厅。”⇒一階にレストランがあります。
“餐厅在一楼。”⇒レストランは一階にあります。
こんな日本語になりますね。
では、この日本語はそれぞれ、どんな時につかいますか?
日本語ではどう使い分けていますか?考えてみてください。
実はこの二つの文章は、「どんな疑問文に対する答えになるか?」ということを考えると、その違いがわかりやすくなります。
どんなふうにきかれたら、「一階にレストランがあります。」と答えますか?
きっと、「レストランはありますか?」と聞かれた時ではないでしょうか。
A:レストランはありますか?
B:一階にレストランがあります。
「一階にレストランがあります。」という文章は、「ある」「ない」という存在をあらわす文章になります。
では、もう一つの例文、「レストランは一階にあります。」はどうでしょうか。
どんなふうにきかれたら、「レストランは一階にあります。」と答えますか?
きっと、「レストランはどこですか?」と聞かれた時ではないでしょうか。
A:レストランはどこですか?
B:レストランは一階にあります。
Aの疑問文は、「あることは知っている」けれど、どこだかわからないという状況です。
「レストランは一階にあります。」という文章は、「どこにあるか」という場所をあらわす文章になります。
なので、“有”と“在”のちがいとしては、“有”は「存在」をあらわし、“在”は「場所」をあらわす、ということになります。
いる
「いる」を使う文章をみてみましょう。
“他在一楼。”と“一楼有人。”は、それぞれどんな日本語になるでしょうか。
“他在一楼。” ⇒ 彼は一階にいます。
“一楼有人。” ⇒ 一階に人がいます。
こんな日本語になりますね。
さきほど、“有”は「存在」をあらわし、“在”は「場所」をあらわす、と説明しました。
「彼は一階にいます。」という場合、「彼はどこにいますか?」という「場所」をきく疑問文に対する答えとして使われます。
もう1つの例文、「一階に人がいます。」という場合、「だれか人はいますか?」という「存在」をきく疑問文に対する答えとして使われます。
最後に
「いる」「ある」の中にも「存在」と「場所」があり、中国語ではそれぞれちがう単語をつかうということを説明してみました。
日本語の特徴の一つに、助詞が発達していることというのがあります。
日本語では「存在」と「場所」の使い分けを「助詞(に、は、が、など)」であらわしますが、中国語では別の単語をつかっているんですね。
こんな風に日本語と比較してみると、それぞれの言語の特徴が見えてきてとてもおもしろいですね。
“有”と“在”の使い分け、ぜひマスターしてください!
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