こんにちは、じゅりです。
前回の記事「余華著『兄弟(上)』:文化大革命中の悲劇を知れる」から1ヵ月半が経ち、やっと(下)を読み終えることができました!
中国語で読んだから余計長く感じたのだと思いますが、この小説、本当に本当に長かったです。
ただ、ここまでの長編小説にもかかわらず、最後まで読めたのは、自分でも驚きです。
涙あり、憤りありのすごい小説でした。
ご紹介します!
登場人物
主に以下の3人です。
- 李光頭:宋鋼の弟で、後に大富豪になる
- 宋鋼:李光頭の兄で、後に失業し、職を転々とする
- 林紅:李光頭が過去に思いを寄せていたが、宋鋼のお嫁さんになる女性
あらすじ
父親も母親も死んでしまった李光頭と宋鋼は、色々なご縁があり二人とも職を見つけ、二人暮らしを始めます。
大人になった李光頭が小さいころトイレののぞき見をした相手である林紅にアタックし始めると同時に、宋鋼との関係がギクシャクし始めます。
今までお互い頼りあいながら生きてきた李光頭と宋鋼の距離がどんどん離れていってしまいます……。
二人の兄弟愛は、衝撃の結末を迎えました。
感想
※ネタバレにご注意ください。
李光頭と宋鋼の恋
李光頭と宋鋼の兄弟愛がまぶしかった上巻とは打って変わって、大人になり恋の敵になる二人を見ていて、とてもさみしかったです。
二人で支えあいながら生きていたのに、どうしてこうも気持ちが離れて行ってしまったんだろうと思ったり、仲良くしたいはずなのに素直になれない二人を見ているともどかしい気持ちになりました。
こうなってしまったのも、林紅が宋鋼と李光頭を離そうしていたり、林紅のことが好きすぎる宋鋼が反抗できないという理由もあるのですが、林紅が嫌な女にしか見えませんでした。
嫌な女林紅
林紅の都合のいい言動には憤りを覚えました。
李光頭が路頭に迷っているときには、宋鋼に「李光頭と近づくな」や「李光頭と縁を切れ」と言ったりしていたのに、李光頭が大富豪になれば「仕事を紹介してもらえ」と言ったり……。
宋鋼がお金稼ぎに単身赴任している間に、李光頭と不倫関係になったり……。
なんでそんなことできるの……と呆れちゃうくらい、むかつきました!
もしわたしがこの登場人物の中にいたら、損をしてる立場かもしれませんね😔
宋鋼の死
単身赴任から戻ってきた宋鋼を待ち受けていたのは、林紅が李光頭と不倫しているという事実でした。
何日も落ち込んだ結果、宋鋼は自殺を選んでしまいました。
李光頭が好きな林紅を、自分も好きになってしまったと宋鋼が気付いたとき、一度自殺未遂していたので、今回も未遂で終わるかと思ったのですが、本当に死んでしまいました。
林紅や李光頭にあてた遺書も大泣きしながら読みました😭
本当に無念です。
最後に
読み終わった後、李光頭や宋鋼が子供のころのことを思い返すと、「懐かしいなあ」と思えるほど、中身の詰まった小説でした。
日本のことも書かれていて、中国人の立場からみた日本も見れて、親近感がわきました!
もし興味が湧いたら読んでみてください💕
日本語版もあります!
次は中国人の友人に激押しされた曹文軒さんの本を読む予定です😊
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